2007年12月22日アーカイブ

ウニモグ競馬場に行くと、レースとレースの間に、ダートコースをのんびりと二台横に並んで地ならししながら走るこれを見るたびに思っている。

「これがエリア88のアフリカ編で崖を垂直に登ったヤツかぁ…」

あの漫画で新谷かおるが綺羅星のように次々と登場させた戦闘メカの、荒唐無稽さを含めた素晴らしさは実在架空を問わず、空の戦闘機は言うに及ばず、海の(砂漠の空母もあった)空母、山岳地帯に横穴を空けた基地など、「起承転結」ならぬ「起承転転転転」状態だった。

そしてエリア88のアフリカ編で、傭兵同士の戦闘で敵の追跡を振り切るために崖を登ったのが、このメルセデスベンツ・ウニモグであり、そしてウニモグを一躍有名にしたのはエリア88だと断言してもいい。
ウニモグウニモグとは「Universal-Motor-Gerät」の略で、直訳すると「多目的動力機械」となり、自動車の範疇を越えた用途を想定している乗り物である。およそ3000種類の作業アタッチメントを揃え、除雪、草刈、清掃、通信、土木・建設、鉄道ほか、ありとあらゆる用途に季節や天候を問わず稼動が可能になっている。

もちろんドイツの車なので、軍用には対空機関砲搭載アタッチメントまで存在するし、モータースポーツにはダカールラリーにカミオン部門で走るわサポートカーとしても使われてるわで、おおよそ不可能のない車なのだ。
ウニモグ
駆動はもちろん4WD(しかもリア2WDやデフロックへの切り替えも可能)で、トランスミッションは前後進それぞれ8段で、前へも後ろへも同じ速度で走れるそうで、オプションに16段・24段も用意されているという。門型リジッドアクスル構造のため、アクスルの中心がタイヤの中心より高いポジションに置かれ、ホイール部分にギアを設置することにより、低重心を図り、デフの小型化を実現している。

登坂角は45度、ランプアングル38度、横転限界角38度、水中走行可能深度1.2メートル。もう完全にハマーなんか目じゃない化け物である。

こういう軍事技術ベースの徹底的な工業製品ってアメリカには作れないと思うし、日本のメーカーにしたって、憲法上の(くだらねえなあ)問題があって、開発そのものにストップがかかるだろうし、技術的にできたとしてももこういう質実剛健というよりは、緻密方面に行っちゃうんだろうなあ。

ウニモグ
このリアビューは完全にベンツのそれである。ちなみに日本でも市販はされているのだが、基本仕様はあきらかに乗用車としては不向きであり、そこが弱点と言えば弱点と言えるかもしれない。

このためウニモグの売り込み先は法人相手ということになり、それはそれは各企業や自治体が3000万円近い費用を惜しげもなく払うわけだ。そうだよなあ、それだけの車だもんなあ。

フェラーリやランボルギーニの値段は「存在」が決めるし、ベンツの乗用車の値段もおおむねそういうところがある。しかしこのウニモグは別だ。持っていたって、確かに異様な大迫力はあるがそれがステータスにつながるわけでもなく、乗用車としては最高速度が80キロくらいしか出ないそうだから、ドライブして楽しい車ではない。

とにかく「車」ではなく「どこでも行くし、何でもできる乗り物」であり、だからこその「多目的動力装置」なのだ。そのあたりの自信たっぷりの開き直りとも言える矜持がメルセデスなんだよなあ(ダイムラーだけど)。

ウニモグ

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