2007年12月29日アーカイブ

f512_3.jpg
フェラーリF40は、当初400台生産のはずか最終的に1000台以上生産されてしまったにもかかわらず、幻の名車という位置づけになっているが、本当に400台くらいしか生産されていないし、フェラーリの伝統である水平対向12気筒エンジンを載せたモデルであるにもかかわらず、フェラーリのラインナップの中で、なんとなぁくだが、なかったことになってるのが、このフェラーリF512Mである。


512m_1.jpgこの512Mは80年代のフェラーリを支えたテスタロッサ系の最終モデルとして、512TRの後に発表された。当然のことながらエンジンは水平対向12気筒なのだが、アルミ鍛造ピストンとチタン製コンロッドが採用され軽量化を図り、安全対策としてABSが装備されている。フェラーリって車に「安全対策」なんて言葉は、ヒステリックな女が理性を売りにするみたいで違和感があるのだが。


512m_2.jpgまた、すでにデビューしていたF355や456GTのいいとこ取りみたいなフロントビューは、空力面で積極的に車体下へ空気を流入することで、整流効果とミッドシップエンジンへの冷却効果を高めている。

最も特徴的なのは512BBから続いてきたリトラクタブルヘッドライトを固定式にしたことで、これについてもエアロダイナミクス面の効果を狙ってのことだと言うが、奇遇なことにこの512Mが開発中にフェラーリの大マーケット(というか命綱)であるアメリカの大半の州において、昼間のヘッドライト点灯が義務付けられたわけで、どう考えてもそっちの理由の方が大きそうである。

512m_3.jpg僕はかつて、この手の車を専門に扱う整備工場にいたことがあり、この車にも乗ったことがあるのだが、確かに「軽さ」は感じた。テスタロッサという車は確かにあの見かけに比べると大変乗りやすい車である。たぶん308GTBよりも絶対に乗りやすいと思う。

大抵のフェラーリはギアが入るとき「シャキーン」という金属音がするのだが、512Mは「カッチン」という音で、よりメカニカルな雰囲気でありクラッチが若干重くてストロークも短い。


512m_4.jpg確かにフェラーリの12気筒モデルとしては、抜群に扱いやすいモデルなのだが、どうも今ひとつ「すげえ!」って感じないのは、何とも言えないこのデザインの「取ってつけた感」というかハンパさのようなものを感じてならないからなんだなあ。「カッコいいんだかカッコ悪いんだかよくわからない」と言うべきか。

実際そう思ってるのは僕だけではないらしく、この512Mはあまり中古車市場に出回らない上、プレミアがついているという話もあまり聞かない。

なので、フェラーリの歴史において、テスタロッサ→355→360という流れの中に、512TRの存在はあっても、512Mの存在は「ああ、ああ、確かにいたね!そういうの!」という感じになってるイメージがあり、僕はこの車に対しては「なかったことになってる12気筒」という位置づけになっている。

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