2009年2月28日アーカイブ

ブガッティ・ヴェイロン1350psここ2年くらいだろうか。大排気量のスポーツカーのウリが、最高速度から最高出力に移っているような気がする。

まあそうだよなあ。400km/hオーバーって確かに凄いは凄いんだけど、300km/hオーバーの段階で「どこで走るんだ」などと揶揄されていたのに、400km/hなんて、「どうやって操るんだ」って話になってしまうんだから。


ブガッティ・ヴェイロン1350psアメリカでシェルビー・スーパーカーズがアルティメット・エアロTTを電気自動車化してどうのこうのと言っているのに触発されたのか、ブガッティもあのヴェイロンの1350馬力版を出すらしい。

しかも「ブガッティの創始者エットーリ・ブガッティ生誕100周年記念」ということだが、ブガッティほど身売り身売り倒産身売り規模縮小身売りという歴史を経たメーカーはないわけで、波乱に満ちた100年だったとも言える。

だからちょっと前のブガッティを知る者にとっての同社に対する認識は、「えーっと今はどこの傘下なんだ?」っていう程度なので、まさか2億近い価格の世界一高価な1000馬力のスポーツカーを限定生産するなんて想像もつかなかったのだ。
しかし1000馬力ってなあ…。セスナ機の馬力がおおむね300馬力でかなり高性能って言うのに、その3倍以上の出力を地上を移動する乗り物の駆動系に与えるっていうのは、エンジニアリング的にマッドサイエンティストの所業とも言えるんじゃないだろうか。しかも今度はさらに1350馬力である。いったいどこを目指しているんだろうか。

ブガッティ・ヴェイロン1350psとは言え、実はこういう車って結構好きなのである。理由はなんかバカげているから。

だいたい11キロの直線がないと最高速度が出せないという現実を踏まえれば、これは自動車という乗り物の禁断の領域なのに、それでもW型16気筒なんてエンジンを作り、その上4本のマニホールド全部にターボをつけてツインターボなんて生易しいものではなく4基がけターボにしてりまうなんて、こんなエンジンを設計している間エンジニアは楽しかっただろうなあ。


この「愛すべき不毛なモンスター」、ヴェイロン1350psモデルは「Centenaire=サントネール」と名付けられるらしい。「サントネール」とは「100年もの」という意味でワインによくつけられる名前である。100年の歴史をワインになぞらえたってことか。それはそれは山あり谷あり谷あり道なき道をさまよった100年だから、芳醇と言えば芳醇なんだろうなあ。
ブガッティ・ヴェイロン1350ps

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