2010年3月アーカイブ

マクラーレンMP4-12C
子供の頃、模型店のウィンドウに並ぶ完成品プラモデルのディスプレイにはこういうレイアウトがよくあって、自分も一度やってみたかったんだけど、これをやるには同じ物を二台買う必要があり、子供にとって同じプラモデルを二台買うという決断は、大人が本物の車を二台買うのに匹敵する葛藤を伴う上、これをやると確実に一台分のボディが無駄になるので、結局諦めたっけな。



マクラーレンMP4-12C今年フェラーリが458イタリアを出すにあたって、最大のライバルとして肩を並べるべくイギリスから約20年振りに登場したのがこのマクラーレンMP4-12Cである。しかもこの車、ほぼ全てハンドメイドである。

もっともマクラーレンは量産車メーカーじゃなく、当然生産ラインというものが存在しないから全てハンドメイドなのは当たり前なので、これを職人気質的にありがたがるかどうかはともかくとして。

マクラーレンMP4-12Cマクラーレンが20年前にF1を出したときは、実験的な意味合いが強く、その技術、その稀少な生産台数から来るプライオリティがマクラーレンの名を大いに高めたのだが、それから20年経った今、なぜ二代目の車を出すかという意義がどうしてもわからないんだけど、今回デザイナーにフランク・ステファンソンを引っ張ってきて、ピニンファリーナみたいなモダンな仕上がりになっており、特にこの走ってる最中にこぼれ落ちそうなデザインのミラーなんかちょっとそれっぽくて好みだ。


マクラーレンMP4-12C
MP4-12Cの最大の特徴はシャーシにカーボンモノセルを採用しているところで、ワンピースで成型されたセルでキャビンを取り囲み、エンジンとサスをマウントするアルミ製のフレームを前後にくっつけており、加えてブレーキも鍛造アルミと鋳鉄の軽量なコンポジットブレーキで、ダッシュボードはマグネシウムで支えている。

しかもこのカーボンモノセルは経年劣化をしないというふれこみだがホンマかいな。これがマクラーレンじゃなくてフェラーリだったらウソつけと言うところだが。

マクラーレンMP4-12C
ブガッティが宇宙に打ち上げるんじゃないかってくらいの馬力を追求して行くのに対して、他のメーカーはフェラーリも、ガヤルドのスーパーレジェーラも、馬力はこんな感じでいいからとにかく車体を軽くするという方向にシフトして行ってるようで、このMP4-12Cも車重は1.3トンという驚異的な軽さである。フェアレディの370Zを比較に挙げれば、全長は250mm長いのに重量は180キロ軽くなっている。



マクラーレンMP4-12C「えーっと、このハーネスはどこに着けるんだっけ?まあいいや、ここに挿しとこっと」

「ここのネジ足りないんだけど接着剤でいいかね」

「いいんじゃない?」

と言う会話が交わされているかどうかは不明だが、マクラーレン社内では一台一台がこのように造られているらしい。

マクラーレンMP4-12C

「いやあ、できたできた」

「何か部品が2個くらい余ってるんだけどさ」

「いいんじゃない?」

と言う会話が交わされているかどうかはこれまた不明だが、とにかくマクラーレン社内では一台一台がこのように造られているらしい。


F1と比べて、ハンドル位置も左になって乗用車寄りになり、価格もF1みたいに「とりあえず1億」とかいうバブル的な値付けではなく、15万ポンドという"比較的"現実的な価格のこのMP4-12Cだが、果たして日本に持ち込まれたときにナンバー取得できるのだろうか?陸運局で「自分で作った車持ってこないで下さい」とか職員さんに怒られたりして。

※ランボルギーニカウンタックが日本に初上陸したときの実話である。

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フェラーリ・カリフォルニアその昔、ホンダCR-Xデルソルという車が登場したとき、そのルーフの実にメカニカルな開閉に思わずサンダーバードの「てってけてーてけてってってってけてってってー♪」というテーマソングを脳内で口ずさんでいた僕としては、この車の屋根の開き方はまさにデルソルのそれを見たときと同じだった。

アメリカで売るためにはオープンモデルは必須なわけで、フェラーリも身もフタもないこんなコンバーチブルを出したなあ、と思ってたら、よくよく考えると50年前に250GTカリフォルニアというコンバーチブルモデルを出していたのでした。

フェラーリ・カリフォルニア
基本的にはスポーツカー寄りの612という位置づけになるカリフォルニアは、612をややミニマムにした感じのパッケージで(それでも4563×1902×1308mmだそうだが)、申し訳程度に設置された後部座席のようなものに、人間が乗ったと仮定すると、たぶん長時間ドライブは拷問と化すだろう。緊縛系の趣味がある人は別として。

あと近年のフェラーリの傾向として、ネギを差したようなテールライトとこのマフラーを縦に2本出しというデザインが挙げられるが、多少の違和感を感じないでもない。

ただし、テールライトが丸型二灯なのは非常によろしい。確かにフェラーリのテールライトは丸型四灯が伝統なのだが、ロングノーズショートデッキのテールライトはできるだけシンプルなのがかっこいいというのが僕の趣味なわけで、ましてやコンバーチブルなら、極端な話「あるかないかわからんくらい」にチョコンとくっついているのが理想なのだが。


なお、このリトラクタブルルーフを開いた状態では完全に乗員はむき出しになるのだが、万が一の横転時にはエアバッグよろしくロールバーが飛び出して来るそうだ。だがわからんぞ。だってフェラーリだもん。

フェラーリ・カリフォルニア要するにフェラーリは、アメリカのセレブ層に、完全な"高級車"である612と、さすがに612よりは走り重視の車に乗りたいけど、458イタリアは命がいくつあっても足りないと迷う人達用にこのカリフォルニアの2台の選択肢を提供してみたわけだ。

なんだってその名も「カリフォルニア」ってくらいのもんだからね。大昔に日産もサニー・カリフォルニアっていうの出してたんだけど。

フェラーリ458イタリア
そして目下フェラーリでもっとも先鋭的かつ最強モデルなのが、458イタリアである。もう気合の入れ方が尋常でない。スカイラインジャパンどころの騒ぎじゃない。古いぞ。

発表されたばかりのときは、もうずっとKERS搭載とばかり思っていたから、ただの直噴だったもんで「凡庸」と評したんだがこの車、見れば見るほどジワジワと良さが伝わってくる。


フェラーリ458イタリア
4.5リッターV8で458と名付けられたこの車のエンジンは、カリフォルニアのV8と同じくフラットプレイン・クランクシャフトを使用して、圧縮比を12.5:1とやや低めに設定してあるため、リッターあたり127hp/12.2kg-mと出力効率が非常に良い。

もっとも、「出力効率が良い」=「燃費が良い」=「地球に優しいエコなくるま」を標榜するのは思いあがりだと思うが。フェラーリの場合。


ちなみに3500回転くらい回していれば、どの速度域でも最大トルクの8割を発揮するというから、6速MTでこれを操れる人はそういないだろうし、そろそろいっかって感じでフェラーリはこの458には遂にMTを廃止してしまったのがとても残念なんだが。

フェラーリ458イタリア
フェラーリ612 スカリエッティ
フェラーリはもうかれこれ20年近く、本格的スポーツカーはV8になり、当初はお家芸であった12気筒に気を遣って「ピッコロフェラーリ」などと言われていたが、モデルを重ねるごとに巨大化の一途を辿りもはや「ピッコロ」ではなくなっているって言うのは、これまでさんざん言われてきて、これからも言われ続けるんだが、12気筒を無くすというのはどうしてもフェラーリ的にはしのびないらしく、高級GTカーのエンジンにシフトして、これまた幾久しい。


フェラーリ612 スカリエッティ
そもそも「GTカー」って言うのは、「長距離走行に耐えうる」ことが大前提なわけだから、たぶんその手の信頼度が世界一低いメーカーであるフェラーリが、GTカーに12気筒を持ち込むのってどうなんだって考え方もあると思うのだが、 いやそもそも作るなって言った方が素直な考えなんだけど。

そんなわけで、このフェラーリ612 スカリエッティは現在フェラーリ唯一の4人乗り「GTカー」である。

フェラーリ612 スカリエッティ流麗というよりは、のっぺりしたというべきデザインは、後部座席の居住性の確保とフロントエンジンスペースのためだが、基本メカニズムはマラネロで、ボディワークは360モデナのマルチチューブラーフレームの継承という生い立ちの612は、高級感の追求に余念がなく、オプションで内装を「どんな色でも」決められるそうである。

なんとなくこの車が提供する付加価値というかステータスとしては、セレブと言う人種と成金という人種を明確に区別している感じで、明らかにセレブ向きの車である。


フェラーリ599 フィオラノかたやもう一台の12気筒がこの599GTBフィオラノである。この599は、"GTB"と"フィオラノ"という名前がトヨタだのオートバックスに商標登録されてしまっていたため、ただの599と呼ばれることとなっている。

このあたりの大人の事情って、かつて"901"にしようとしたらプジョーに全部登録されてしまった後で仕方なく"911"になったポルシェみたいなんだけど。

フェラーリ599 フィオラノ

612と違いこちらはガッツンガッツンのスポーツカー寄りGTカーに仕上がっており、599XXみたいな化け物もさっさと造られるくらいに、走りに特化されている。しかも基本的なコンセプトは612と平行しているのにエンジンはマラネロのエンジンではなくエンツォのエンジンをデチューンしていると言うから、12気筒の化け物度は格段に高く、たぶん430よりもこっちの方がフェラーリらしいんじゃないだろうか。


ただし、「GTカー」という範疇で見た場合、東北自動車道を北上したら、612は仙台あたり、この599は宇都宮あたりでイヤな煙を出しながら止まりそうな気がするんだけどね。
フェラーリ599GTB フィオラノ